親玉堂さん

店のこと

2012年07月04日

早いもので7月になりました。

さかのぼりますが、皆さんは6月30日に和菓子「水無月」を召し上がられたでしょうか。

お彼岸のおはぎ、十五夜の月見団子など季節の和菓子は、美味しい思いをしながら手軽に風流も味わえ、なんといい習慣かと思います。

特に夏越の意味合いを持つ水無月は、夏が苦手な私には欠かせないもので、

これで夏を乗り切れる!

と、毎年、自己暗示をかけるように、気合を入れて噛みしめています。

残念ながら二年ほど前に廃業されましたが、買うのはいつもご近所の和菓子屋「親玉堂」さんでした。こじんまりと風情のある店構えで、通りかかると、もち米を蒸すいいにおいがしてきたものです。カランカランと下駄の音が聞こえたと思ったら、「おはよう!」とご主人に声を掛けられることも。

和菓子はどれも、くせのない上品な甘さで、年配のご夫婦の人柄とともに、地元で愛される和菓子屋さんでした。

今は行きつけの店はなく、今年の水無月は出かけたついでにデパ地下で買いました。それなりに美味しかったのですが、なにか味気ないものが。

店先での奥様とのなんでもない会話、出来立て手作りならではの美味しさ…、思い出されるのは、やっぱり「親玉堂」さんの水無月です。味の記憶は味覚だけにとどまらず、その向こうに、えもいわれぬ情景が伴うものなのですね。

自分が店を開いて、「親玉堂」さんがどんなにか素敵な店だったかを実感しています。

今日も一日、元気で頑張ろう!

店のこと

2012年06月30日

5月2日のブログに書きましたが、フェイスブックを始めて、2ヶ月が過ぎました。

フェイスブックというのは…、

ごく簡単に説明すると、自分の素性を明かしたうえでインターネット上に登録し、承認し合った者同士が情報を送受信できる仕組み、というのでしょうか。

起業家セミナー仲間から恐る恐る始めた小さな輪が、友達の友達は友達方式で、少しずつ大きな輪に広がりつつあります。商売上、必要に迫られて始めたつもりが、私自身がすっかり楽しんでいる状況です。

各方面で活躍されている皆さん、夜もお元気ですが、朝もお元気。仕事前の早朝から書き込みをされている方も。

締めくくりは、

みなさん、今日も一日、元気で過ごしましょう。

なんて言葉が多いです。

決まり文句のような言葉ですが、書いた方の笑顔やお仕事ぶりが目に浮かび、読むたびに心に響きます。

何年前からでしょう、いつの頃からか、私は毎朝、心の中で

今日も一日、元気で頑張ろう!

と唱えるのが習慣になっています。

辛いときほど、心の中で拳を突き上げて、声高に叫んできたように思います。

人からは「いつも元気やね」と言われ続けて何十年。

ちゃうねん、ちゃうねん…、

と心で思うも、この言葉の効果だったのかもしれません。

今日も一日、元気で頑張ろう!

店を始めた今、やっぱり、毎朝、そう心で唱えて一日をスタートしています。

以前と違うのは、フェイスブック仲間の皆さんの声が、ハミングのようにかぶさっていることでしょうか。

デジャブ

店のこと

2012年06月10日

開店から3ヶ月近くが過ぎました。

少しずつお馴染みさんが出来つつあり、その中にはご近所の高齢の方も。

杖を突きながらや、手押し車を押しながら来られては、店内の椅子に腰掛けてしばしお喋り、なんてこともよくあります。

ふと、この光景、どこかで見たような、と不思議な思いに駆られることがあります。そんなこと、あるわけないしなぁ、あぁ、そうそう、開店前に思い描いていた光景やんと思い至り、さらに不思議な思いに…。

じゃこ山椒も塩昆布も、スーパーマーケットに行けば手軽に安価で買うことが出来ます。高齢のお客様にとっては、日々の買い物のついでに済ませれば便利なことでしょう。

それでも「これは、やっぱり、あの店で…」そう思って足を運んでいただける店でありたい。味はもちろんのこと、そこでのお喋りがまた楽しい、そう思っていただける店…。構想中に私が思い描いていた店の光景です。

そのままの光景を、今、目の当たりに出来て幸せに思っています。

写真はご近所の玄関脇の紫陽花です。こんな季節になっていたのかとビックリ。

店作りに奔走し始めた去年の秋以来、紅葉も桜も味わうことなく過ごしてきました。

また少しずつ、季節の移り変わりを楽しむ余裕を持ちたいと思います。

この道を 通る日いつも 豆腐買う

店のこと

2012年06月02日

うちにご来店くださるお客様の半数近くは他府県の方でしょうか。観光の方がほとんどですが、なかには京都の病院に通っているという方が時々いらっしゃいます。

近郊から月に一度通院しているという方、遠方のため京都に部屋を借りているという方、なかには入院中で外出許可をもらってきたという方も。

ご本人は食事制限があり食べられないけれど、家族にと言って、じゃこ山椒を求められる姿に、かける言葉が見つかりません。

今はもう亡くなった私の実母は、長年、入院生活を送っていて、私は一人、慣れない運転で面会に通いました。

私が娘であることをとうに忘れた母に会うのは気の思いことでしたが、途中に美味しい豆腐屋さんがあり、帰りに買って帰るのがせめてもの慰めでした。夏には冷奴、冬には湯豆腐にして食べた豆腐は、美味しくも切ない味でした。

「おいしい、おいしい」

と、ことさら声に出して食べていたように思います。

病気は本人にとっても家族にとっても辛いものですが、そんななかでも人はちょっとした隙間に楽しみを見つけられるものなんですね。

 

この道を  通る日いつも  豆腐買う

 

思いのままを五七五にして新聞の川柳に投稿したところ、佳作に選ばれた、なんてことも。ビギナーズラック、ってやつです。

決して楽しくはない病院通い、それでも皆さん、なにかしら楽しみを見つけられている様子がうかがえます。

写真は近くのスーパーの軒先で見つけたツバメの雛。たくましい生命力、あやかりたいものです。

つるやのサラダパン

店のこと

2012年05月20日

3月21日のブログで書いていますが、私、滋賀県の湖北、木ノ本の観音様が大好きなんです。

地下鉄の駅を降りて竹屋町通りを店に向かうとき、正面に西国三十三カ所巡りの19番札所、通称「こうどうさん」が見えます。毎朝、心の中でそっと手を合わせ、木ノ本の観音様のことを思います。

またゆっくりと訪ねたいと思いながら、まだ時間がつくれずにいます。

私が木ノ本好きなことを知る友人が、きのう、木ノ本までドライブしてきたと、店にお土産を届けに来てくれました。袋をのぞくと、「つるや」の「サラダパン」が!

木ノ本の北国街道沿いに古くからあるパン屋さんの名物パンです。少し甘めのコッペパンの切り目にマーガリンが塗ってあり、そこにマヨネーズで和えた刻んだたくあんが挟んであるんです。そう、漬物のたくあんです。

パンにたくあん、なんてアバンギャルドな取り合わせでしょう。知らずに初めて食べたときは仰天しましたが、これが病み付きになる美味しさなんです。

久々に食べたつるやのサラダパンは変わらぬ美味しさで、

「ああ、これこれ」

と、うれしくなりました。

風情ある街道の佇まいや、昔懐かしい雰囲気の店内の様子まで目に浮かぶから不思議です。

「しののめ 寺町」も暖簾分けから2ヶ月。

馴染みのお客様が、ご試食用のじゃこ山椒を一口召し上がり、

「これこれ、この味」

と言ってくださるのを聞くと、ほっとします。

そして、お客様がよく仰るのが、

「このあたり、風情のある街ですね」

という言葉。

変わらぬ美味しさを。

そして、うちのじゃこ山椒を召し上がっていただくとき、寺町の風情ある街並みを思い出していただける。

そんな店になれる日を夢見ています。

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