8周年記念 山椒きなこポルボルン

店のこと

2020年03月29日

しののめ寺町8周年

先日3月16日で「しののめ寺町」は8周年を迎えることができました。ひとえに皆様のご愛顧、ご支援のたまもの、まことにありがとうございます。

特に記念イベントは考えていなかったのですが、思いがけないことに素敵な企画が生まれました。新商品【山椒きなこポルボルン】の誕生です。もう召し上がっていただいた方はあるでしょうか? 

昨年、ご近所の洋菓子店「シェ・ラ・メール」さんが移転ということで、寺町の店を閉められました。それに伴い「シェ・ラ・メール」さんで作っていただいていた【山椒メレンゲ】がなくなることに。

1周年記念に誕生したこのお菓子。以来、一緒に歩んできた愛着いっぱいの人気商品です。さみしく思っていたところ、以前、うちで働いてくださっていたアルバイトの歩美さんから、こんなお話をいただきました。

ママ友に素敵なパティシエさんがおられ、コラボしてオリジナル菓子を作っていただけそうだけれど、いかがでしょうか? とのご提案です。

さっそくお目にかかってみると、とてもママには見えない可愛らしい女性でした。お名前は、なおさん。伺うと、華麗な経歴をお持ちの実力派なのですが、とっても控えめ。

願ってもない光栄なお話で、こちらの希望は、山椒風味であることとオリジナルであること。それだけを伝え、一も二もなくお願いした次第です。

なおさん、京都に来られてまだ日が浅いようで、店舗は構えず、オーダーメイドで直接、顧客に届けるというスタイルをとっておられます。ブランド名は【Mi Merienda】(ミ メリエンダ)。「わたしのおやつ ぼくらのおやつ」という意味だそうです。なんて可愛らしい名前でしょう。

心尽くしの美味しいお菓子が、お洒落なラッピングで自宅に届く! 顧客の方たちがインスタに上げておられるのを拝見すると、感動がひしひしと伝わってきます。

ご紹介くださったアルバイトの歩美さんも、食やデザインに造詣の深い方。うちで働いてくださっている頃から、その知識とセンスにいつも感心させられていました。

うちのことも、なおさんのこともよくご存じの歩美さんには、全般のプロデュースをお願いするということで企画スタート!

実は初めてお目にかかった時に、手土産としてご持参くださったのが【ポルボルン】でした。口の中でほろほろと溶ける柔らかなクッキー。溶けるまでに心の中で「ポルボルン、ポルボルン、ポルボルン」と3回唱えられると幸せになるという言い伝えのある、スペインの伝統菓子なのだとか。

その時、教えられるままに、私も試みてみました。きっと誰でもちゃんと唱えられるようにできているのでしょう(笑)。そうとわかっていても、うまくいくとやっぱりうれしい、幸せのお菓子です。

スペイン在住経験があり、その時に食べた美味しさを日本でも伝えたいと思っておられたとのこと。今回、スペインと日本の融合、なんていうと大袈裟ですが、ポルボルンを日本茶にも合う和風に仕上げていただくことに。

ラッピングの帯やシールはパソコンもお得意な歩美さん担当。あと諸々、相談を重ね、そうして完成したのが【山椒きなこポルボルン】。なにからなにまで手作り、心尽くしの8周年記念商品の誕生です。

8周年を迎える少し前から販売を開始し、当日の3月16日からは1枚ではありますが、限定100個をお客様にプレゼントすることに。それに合わせたパッケージも、これまた歩美さんがデザイン、制作してくださいました。それが上記の写真です。素敵でしょう ? !

焼きあがった【山椒きなこポルボルン】を、なおさんと歩美さんとで、ひとつひとつ詰めては封をしていってくださったとのこと。そのお手間や、考えるだけで気が遠くなるのですが、「楽しかったぁ」と仰ってくださり、恐縮するばかりでした。

3月16日初日、ご来店のお客様に、ポルボルンのいわれなどをお話ししながら、一個一個手渡しさせていただきました。説明する私も、お聞きになるお客様も、思わずにっこりしてしまうひととき。

あぁ、これがそのまま私のメッセージ…。

8年経ってもなお、まだまだ未熟な店ですが、こんな素敵なご縁のもと、こんな素敵な新商品が生まれたこと。それがとりもなおさず、この8年間の成果を物語ってくれているんじゃないか。そんなことを思わせてくれた【山椒きなこポルボルン】。

うちに来てくれて、ありがとう。

なおさん、歩美さんには感謝の思いでいっぱいです。

数字の「7」の次に「8」が来るのは当たり前ですが、「7周年」の次に必ず「8周年」が来るとは限りません。今年は例年にも増して、そんなことを痛感する周年記念でした。

先の見えない状況が続いております。「9周年」を迎えることは、さらに厳しいことが予想されます。

自分の中の確かなものだけは見失うことなく、今できることを大切に進んでまいりたいと思います。今後とも変わらぬご愛顧とご支援を、よろしくお願い申し上げます。

しののめ寺町 ホームページリニューアル

店のこと

2020年02月22日

気づいていただいているでしょうか? 「しののめ寺町」のホームページをリニューアルしました。

実はこれまでのは自作サイトで手作りしてきたものです。慣れないことゆえ大変ではありましたが、もの作りが好きな私には楽しい作業で、結構気に入っていました。ブログIT関係のひとびと)(ブログ鏡よ 鏡…

が、ホームページの目的はあくまでも、広く、わかりやすく、便利に、活用していただくことです。ITの世界はとにかく複雑で難解。あれこれ試行錯誤し、がんばってきましたが、素人の力の限界を痛感。

Googleアナリティクスに降参!

わかる方にはわかっていただけるでしょうか? って、私もよくわかっていませんが(笑)。

ともあれ、ついに白旗を挙げた次第。「しののめ寺町」のさらなる発展を願い、思い切ってプロの方に制作を依頼することにしました。お願いしたのは以前からよく存じ上げているメディアクリエイツさん。代表もスタッフも女性の会社です。

お客様に私たちの「店」と「商品」をご理解いただき、ご来店に導く。あるいはオンラインショップに導く。広く、わかりやすく、便利に…。そのためにはどうしたらいいか。話し合いを重ね、進めてまいりました。

見た目はもとより様々な内部の構築は、さすがプロ! こうした部分が、素人の私ではできないことでした。女性ならではのきめ細かな視点も加わり、あたたかみのある「しののめ寺町」らしいホームぺージが出来上がりました。

思えば開店前。ホームページの制作はどうしたらいいものかと思案していた時に、IT関係の知人から勧められたのが自作することでした。便利なサイトがあると教えてもらい、kyoto-jako.jpという立派なドメインを決めてもらい、恐る恐る始めたのが8年前です。

デジカメで写真を撮り、サイトで準備されたひな型に画像や文章をはめこみ。ああでもない、こうでもないと四苦八苦。まるで子供が真っ白な画用紙に絵を描いていくようなスタートでした。

少しずつコツをつかみながらも、さらによくするにはどうしたらいいかと模索しつつ…。これまでに膨大な時間をホームページと向き合ってきました。それはまさに「しののめ寺町」と向き合う時間。ひいては自分自身と向き合う時間でした。

特にこのブログ「にわか女将の走り書き」では、その時々の思いを正直に書いてきました。一つ書き上げるたびに、自分の思いがまた一つ吹き込まれ…。

ホームページの更新をするたびに、自分自身も更新されていくような。自分自身を更新するたびに、ホームページも更新されていくような。もはやホームぺージは私そのものだったかもしれません。

はじめからプロに頼んでいれば、もっと楽だったでしょう。けれどホームページと懸命に向き合ってきた過程は、私にかけがえのないものを与えてくれたと思っています。

いよいよプロにお願いする段になっても、自分で作ってきた経験があるからこそ、足りない部分、強化したい部分。残したい部分。そうした部分を明白にお伝えすることができたように思います。

新ホームページの完成を楽しみにしながら、一方で、拙くも愛着ある自作ホームページと別れるのは、まるで分身と切り離されるような寂しさでした。けれど最後は、やるだけやり切った感でサヨナラすることができました。

旧ホームページ、ありがとう! 新ホームページ、よろしく! 今はその思いでいっぱいです。

今回の一番の変化はオンラインショップを充実させたことです。遠方のお客様。このところの夏の猛暑で外出を控えられるお客様。体調がすぐれず足が遠のいて、と仰るお客様。まだ「しののめ寺町」をご存じいただいていない未知のお客様…。

オンラインショップでのみ、クレジット決済できるよう手続き中です。ぜひ活用していただけたらと願っております。

これからもメディアクリエイツさんにサポートをお願いしながら、常に新しい情報を発信し、愛着あるホームページに育てていきたいと思っております。どうぞ、時々覗きに来ていただき、ご意見などお聞かせくださるとうれしいです。

新しいホームページ、何卒よろしくお願い申し上げます!

令和

店のこと

2019年12月31日

今年も残り一日となりました。皆様にとって、どんな一年でしたでしょうか?

地球規模での自然環境の変化に、消費税引き上げに伴う諸々の経済環境の変化(ブログ軽減税率制度のこと)。のちのち語り継がれるほどの、大きな分岐点となる激変の一年だったのではないかと思います。

時代の変化のスピードが年々増していくように感じるのは、年齢のせいでしょうか。あるいは、店を始めたせいもあるかもしれません。個人として暮らしていた時よりも、敏感にならざるを得ない立場になったことを痛感する数年です。

にもかかわらず、そもそも適応能力の低い私。猛スピードで変化していく時代に適応していくことは、なかなか大変でして。例年にも増して厳しい年となりました。

この一年への思いは人それぞれかと思いますが、誰にとっても大きな出来事は、やはり「令和」という新しい時代の幕開けだったのではないでしょうか。こんな私にとっても、なにかしら希望をつなげる思いのする明るい出来事でした。

皇室や元号制度についてはいろいろなご意見があるところかと思います。私には難しいことはわかりません。ただ、平成時代の天皇皇后両陛下のお姿をテレビで拝見した時に味わう、えもいわれぬ安心感。特に美智子様の慈悲深い眼差しには、心打たれるものがありました。

一方で、そのあとを引き継がれる雅子様のプレッシャーはいかばかりか、と案じることも…。

さかのぼって思い起こすと、現在の天皇陛下のお妃選びは難航されたもようでした。そんななか、当時、外交官だった雅子様が候補に。

まさに才色兼備。お洒落なファッションに身を包み、追いかけるマスコミをかわしながら颯爽と歩かれる姿はとても印象的でした。

将来の皇后になられる方はこれくらいじゃないとダメなんだろうな。こういう方なら公務もうまく果たしていかれるんだろうな。なんて思いつつ…。

こういう方であればなお、自由な立場で活躍される方がいいんじゃないか。その方がご自分らしく輝いていられるんじゃないか、とも思ったり。

私の要らぬおせっかいをよそに(笑)、現在の天皇陛下の「雅子さんのことは私が全力でお守りしますから」というプロポーズのお言葉に、ご結婚を決意されたとのこと。まさに世紀のラブロマンスだなぁと感動したものです。

キャリアウーマンから皇室へ。そのお暮らしの変化は、想像する由もありません。ただ、皇室の装いに身を包み、つつましやかにテレビに映られるお姿を拝見するたびに、独身時代の颯爽と歩かれていたかつての映像が浮かんだものでした。

そうこうするうちに、体調不良の報道。環境の変化への適応が、想像以上に難しかったことが察せられます。思いのほか長きにわたることとなりました。誰にとっても辛いことですが、お立場がお立場。この間の苦しみはいかばかりだったことでしょう。

その長いトンネルを抜けられ、「令和」の幕開けと共に元気なお姿を拝見できたことは、なによりうれしいことでした。

久しぶりに拝見する晴れやかな笑顔の雅子様。内から放たれる輝き。風格あるたたずまい…。もともと美しい方ではありますが、これまでとは違った美しさに、私には思えました。

それは覚悟を決めた方の美しさなのだと思います。苦しい時期を経られたからこそ辿り着かれた境地。名実ともに皇后になられたんだなぁ。そう確信させられるお姿でした。

かつては違和感があった皇室の装いも、今ではとても似合っておられるように感じるから不思議です。

この間、プロポーズの言葉通りに全力で守って来られた天皇陛下。その晴れやかな笑顔が、いつもお隣にあったのもまたうれしいことでした。

皇后として、新たな時代を切り開いていく力を持っておられるであろう雅子様。くれぐれも無理されることなく、健康で公務を遂行していかれることを願ってやみません。

そして願わくば…。新たな皇室ファッションを切り拓き、ますます美しさに磨きをかけていただきたいなぁ。かつてのダイアナ妃のように。というのは私の勝手な願いです。マスコミのバッシングの的にならないことをも併せて願いつつ。

こうした雅子様のお姿を拝見しながら、覚悟、というものについて考えた一年でもありました。

雅子様には遠く及びませんが、私も人生の局面、局面で、それなりの覚悟はしてきたんだと思います。ことに店を始めるにあたっては、強い覚悟を決めたはずなのですが…。まだまだ覚悟が足りないと、不甲斐なく思うことばかりです。

その覚悟というもの、どうやって生まれてくるものなのかなぁ、と考えるに…。ひらめきのように、突然、生まれるものでなく、経験を積む中で自ずと培われていくものなのかもしれない。そう思い至りました。

まずは経験を積むこと。いいことであれ、そうでないことであれ。その経験こそが覚悟を強いものにしていってくれる。そう思えば、山あり谷ありの人生もまた楽し!

そんなことを思う令和元年の大晦日です。

今年も一年の営業を無事に終えることができました。ひとえに皆様のご支援、ご愛顧のお蔭です。ありがとうございます。新年は1月6日からとなります。皆様、良いお年をお迎えください。

軽減税率制度のこと

店のこと

2019年11月29日

今回は気の重いタイトルとなりました。お金のことはさっぱり苦手な私が、経済のことなど語れるわけはないのですが、触れないわけにもいかない。こんな考えの人間もいるのかと一笑に付していただければ、という覚悟で書いてみます。

10月から消費税が10%に引き上げられました。一方で、持ち帰り食品や新聞代など一部のものは8%に据え置き。生活していくうえで不可欠のものを据え置くことで、低所得の方の負担感を軽減することが目的とか。初めての軽減税率制度導入です。

はじめに聞いたときは、なるほどなぁと思わないでもありませんでした。うちは持ち帰り食品に該当するので、ちょっと他人事のように聞いていたかもしれません。

それが実施時期が近づくにつれ、そんな単純な話ではないことがわかってきます。というより、かなり複雑な話。

持ち帰り食品は8%に据え置きと言われても、持ち帰り食品を作り、販売するためにかかる経費は軒並み10%に上がります。家賃、お酒、包装資材、消耗品一式…。これもかぁ、あれもかぁ、という感じ。今まで通りの価格では、当然、収益は減ります。

まわりのお店を見ると、やむなく本体価格を値上げされるところあり。お店がかぶって据え置かれるところあり。いずれにしても苦渋の選択です。

実施から一ヶ月少し様子を見ましたが、値上げやむなしということで、うちも11月11日から価格を改定させていただきました。

二種類の税率を扱われるお店については、レジの買い替えや、煩雑な対応に追われられたもよう。そのための公的な助成金が準備されていたようですが、その費用と手間はいかばかりだっだでしょう。

私なぞが今さらあれこれ言っても仕方ないことですが、そもそも軽減税率制度って意味があったのでしょうか。私には混乱を招いただけに思えてなりません。

何年か前の人気ドラマで、主人公の刑事が放つ「事件は現場で起きているんだよ!」という名セリフがありましたが、まさにそんな印象。政策に携わる方たちは頭脳明晰なことと思うのですが、失礼ながら、現場の事情については想像が及ばれていないような。違っていたらスミマセン。

併せて実施されたのがポイント還元制度なるもの。カード払いにすると、来年6月までポイントが還元されるというシステム。消費税値上がり分以上のお得感で消費の冷え込みを回避し、かつ将来のキャッシュレス化に向けての道筋を作るための施策なのだとか。

この制度を駆使すると、どんどんポイントが溜まって得をするらしく、「ポイ活」という新語も生まれました。ワイドショーでは達人たちのポイ活ぶりが紹介されていますが、世の中にはまめな人がいるものだと感心するばかりです。

時期を同じくして、〇〇ペイというのもたくさん出現しました。さらなる(!)お得感を謳った宣伝と勧誘の猛攻撃に、店としても消費者としても、その選択に迷うばかりです。

ここ数か月の購買にまつわる世の中の変化は目まぐるしく、これに乗れた人はお祭り騒ぎのような。乗れなかった人は置いてきぼりを食ったような。弱者に優しいはずの軽減税率制度が、実は弱者にちっとも優しくないように思えるのは私だけでしょうか…。

以前は現金が一番お得でした。そりゃあそうですね。あちこちで手間や手数料がかかることなく、直接やり取りをして無駄がない。それがあっという間に逆転。現金で払うと損なんて、不思議な時代になったものだなぁと思います。

お客様の中に、ご近所で古くから営まれているお店の大奥様がいらっしゃます。88歳にしてなお現役。お商売や日々の暮らしの知恵をいつも教えていただき、尊敬申し上げている女性のお一人です。

大きな金額がやり取りされるお商売ですが、掛け売り、掛け買いが慣例のなか、こちらはすべて現金とのこと。経理も担当されていて、夜の帳面つけは日課だそうですが、一日の収支は毎日ゼロ。なんのリスクも負わない明朗会計は、お見事と言うしかありません。

なかなか真似できることではありませんが、この商習慣、生活スタイルには、学ぶべきことがたくさん含まれているなぁと感心してしまいます。

各社、各店の方針で、値引きやキャンペーンをされることは大歓迎です。が、それが国の施策で行われ、購買形態が操作されるというのはどうなんでしょう。

個人の考えで、クレジットカードやポイントカードは作らないという方もあるでしょう。そうしたものは使いこなせないという方もあるでしょう。今回の施策は、お得感があまねく行き渡らないだけでなく、恩恵が届くべき人にこそ届いていないという気がしてなりません。

店には店で事情があり、大きな会社と小さな店では、その事情も異なります。

見えるリスク、まだ見えないリスクを推し量り、溢れる情報を精査し、自店にとって最適なものを選び出す…。なかなかに難しい作業です。

うちでも「カード使えますか?」と尋ねられるお客様の割合が一気に増えました。苦慮するところでしたが、今しばらく静観するということで、店頭での各種カードの導入は見送らせていただきました。 

そんななか、しきりに思い出される記憶がひとつ…。  

京都の夏の風物詩の一つに、五条坂の陶器市があります。暑いさ中ながら、私も以前は楽しみに出かけて行ったものです。一つ一つ吟味して買い求めたものは、安価なものばかりですが、今でもその時の思い出と共に大切に使っています。

ある年、若い作家さんのテントで小さな花器を見つけました。モダンながら実用性に富んだデザインは一輪挿しにぴったり。私がしげしげと眺めているのに気づいた作家さんが、シンプルに見えて、とても手間がかかったデザインであることを熱く語ってくれました。

彼の話を聞いてさらに花器の魅力が増し、それにしては抑えられた価格であることがわかり、買うことに決めました。

京都では珍しいことですが、この陶器市では値切るのがお約束で、そのやり取りも楽しみのうちです。が、その時は「値切るのやめときますね」と言って、値札に書かれた金額をそのまま支払いました。

そもそも安価なもの、偉そうに言うことでもないのですが(笑)、なにかしら自分の思いを伝えたかったのでしょう。それは、作家さんが金額で表した価値を、そのままの価値としてしっかり受け取ったよ、という私の意思表示だったように思います。値切ることは、彼の価値をも値切るように思えたのです。

気の良さそうな彼は、値切ればいくらかまけてくれたかもしれません。けれど、少しばかりの得をするよりも、ずっと満足感のある買い物でした。今でもこの花器に花を活けるたびに、その時の彼の誇らしげな表情や、彼の仕事ぶりも含めて購入を決めた自分の思いが蘇ります。

物を買うという行動は、とても個人的で、シンプルで、血の通い合ったもの。物を買うって、本来こういうものなんじゃないか…。

この記憶は、改めてそんなことを思い知らせてくれているように思います。 

お客様の利便性を計れていないのが実情ですが、それでも選んでいただける商品、店であれるように努力してまいります。時代遅れかとは存じますが、寛大なご理解を賜りますよう今後ともよろしくお願い申し上げます。

明日があるさ

店のこと

2019年04月16日

4月、新年度が始まりました。この春、門出を迎えられたお客様もあることと思います。おめでとうございます。

特別な門出というわけではなくても、春はなにかと区切りの季節。会社で、地域で、「総会」というものが開かれる時期でもあります。

「しののめ寺町」がお世話になっている「中小企業家同友会」でも、各支部の総会が3月に行われました。中小の企業や商店、一人で事業をされている方などが集まり、健全な経営、社会貢献などを目指して共に研鑽を積んでいこうという会。縁あって、5年前に入会させていただきました(ブログ中小企業家同友会)。

「しののめ寺町」の開店は2012年の3月16日。お蔭様で今年、7周年を迎えました。毎年3月の末に行われる総会は、ちょうど周年記念の直後です。

一年の事業と会計の報告。次年度の計画と予算。反省を踏まえた展望…。同友会の総会は、自分の店と重ね合わせて考える、よい機会でもあります。こちらは同友会のようにスマートにはいきませんが(汗)。

議事終了後は懇親会へと移ります。良き経営者は、遊び心も豊かなもよう。私が所属する中京支部では、工夫を凝らしたアトラクションが、毎年のお楽しみになっています。昨年はポールダンスに度肝を抜かれました。

今年は懐かしいチンドン屋さんの登場に、会場が一気に和やかな雰囲気となりました。傘回しの芸は、人が回る、お金が回る…。ということで、こうした会にふさわしい、おめでた感いっぱいの出し物でした。

最後はアコーディオンの伴奏で「明日があるさ」の大合唱。その昔、坂本九さんが歌われた名曲です。最近ではリメイクというのでしょうか、ウルフルズや吉本の芸人さんたちが歌われヒットしました。いい曲は、いつの時代にも歌い継がれていくものなのですね。

明日があるさ、明日がある

若い僕には夢がある~♪ 

シンプルな歌詞が心にストレートに響きます。

総会のあった日は、春本番を思わせる暖かい日でしたが、実は春が苦手な私(ブログ私が苦手だったもの 春)。「成長」をイメージする季節に、なんにも変わることなく、ここにいるだけの自分に焦燥感を募らせ、毎年、置いてきぼり感にさいなまれます。

そんな私ですが、今年の総会中、ふと思いました。店を始めて7年の年月を重ね、そして8年目を展望している自分が、ここにいる。春が来てもなんにも変らないと思っていたけれど、私は私のペースで前へ進んでいるんじゃないか…。

いろんなことがある毎日。いいこともあれば、そうでないことも。それでも明日がある。そう思うだけで、また前に進んでいく勇気が湧いてくる気がします。そんな「明日」が重なって、また一年。

明日がある、明日がある、明日があるさ~♪

リフレインを聴きながら、あぁ、来年もこの総会の場に、笑顔で参加している私がいますように。そう心の中で祈りました。そのためには心身共に健康で、店を存続させていなければなりません。

よく学び、よく遊び、そして目指せ黒字経営!

総会のたびに心に誓うモットーです。新年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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