味 2

店のこと

2016年11月10日

今回はちょっと自慢を…。

 

いろいろな店のおじゃこを買い集めて食べ比べをするんだよ、なんて話してくださるお客様が時々いらっしゃいます。そんななかのお一人、京都のちりめん山椒については自称第一人者、と名乗られる写真の男性。「ちりめん山椒食べ比べグランプリ」なるものを、お仲間内で開催されています。前回のご来店時に、これから3回目をやります、と仰ってお買い上げ。緊張しながら商品を手渡したのを覚えています。http://sakura394.jp/holiday/food/chirimen-gp2016

 

この大会、店名を伏せて行われます。まさに味勝負。結果、なんと「しののめ寺町」が二連覇とのこと。名古屋から賞品を携え、報告にお越しくださいました。賞品は名古屋名物えびせんべい「ゆかり」。豪華な包装紙が、まるで金の延べ板のよう(笑)。遊び心いっぱいの演出に、センスが光ります。 http://sakura394.jp/holiday/trip/shinonome3

 

このことをフェイスブックで報告すると「グランプリ」のイメージが衝撃的だったもよう。とんでもない栄冠を手にしたと思ってくださったお客様や知人から「おめでとう!」のコメントが次々と(汗)。

 

そんな大それたものではない、なんて言うと主催者の方に失礼でもあり、イメージのままにしているところです(笑)。実際のところ、一般の方がふつうに召し上がって、ふつうに「おいしい!」と仰ってくださる。それは、なににも代えがたい喜び。どんな有名なタイトルより栄誉なことだと思っています!

 

改めまして、うちのじゃこ山椒、我が家の長男が炊いております。開店初日から一日も欠かすことなく。この賞はまさに彼のもの! なのですが、私と違って控えめなもので、写真はNG。母の代理受賞となりました(笑)。

 

思い起こせば…。40年前、北区にある「しののめ」を、夫の母が創業。以来、長年にわたり親族で営業してきました。私たちの自宅もそのすぐ近所。長男が幼稚園に通う頃、朝、送って行く途中に、店に声をかけるのが習慣でした。見送りに出てくる義母の指先には、炊き上がったばかりのおじゃこがひとつまみ。見る間に長男の口に放り込まれ、「行っといで!」と送り出されるのが、いつからかお決まりの儀式に。

 

されるがままに、毎朝、おじゃこを食べながら通園していた長男。しばらく口の中からおじゃこの味が消えないのでは。あとで喉が渇かないかな。なんて心配する私をよそに、嫌がる風でもない様子。まんざらでもなかったのでしょうか。

 

その長男が、今度はおじゃこを炊く側に。幼い頃に身に着いた味覚は、大人になっても基本となるものです。いつかこんな日が来ることを見越して、義母は孫である長男にこの味を覚え込まそうとしていたのかも、なんて今になって思ったり。開店一年後に亡くなった義母、もう確かめる術はありませんが。

 

ちりめんじゃこは自然のもの。時々で、塩加減、乾燥の具合などが変わります。出来るだけ変わらぬ状態のものを厳選して仕入れていますが、やはり限界があります。そこを見極めて調整し、同じ味に炊き上がるよう、日々、苦心しているようです。その基準となっているのは、幼い日、毎朝、口に放り込まれたおじゃこの味なのでは、と想像します。

 

開店から4年半。今なお「元のお店と同じ味ですか ? 」と、日に何度も確認されることがあります。以前のブログでも触れましたが(ブログ ブログじゃこ)、自分たちなりの最善の仕事が、そのものとして評価されない辛さ。独立した店の宿命と理解しながらも、葛藤の日々でした。

 

この大会、そのあたりも詳細に比較してくださっています。第三者ならではの客観的視点。それも京都のおじゃこをこよなく愛される方による繊細な分析。私たちにとっても、とても参考になる、有り難い報告でした。http://sakura394.jp/holiday/food/shinonome2

 

そろそろ、これが「しののめ寺町」の味! と、胸を張ってもいいのかな。生意気ながら、そんな自信を与えてくださった、このグランプリ。感謝の思いでいっぱいです。と共に、これから一層、心して取り組んでいかなければと、身の引き締まる思いも。

 

たかが、おじゃこ。されど、おじゃこ。こんなにも大真面目に、こんなにも楽しげに、おじゃこを味わってくださるお客様がある。人生、おもしろいものだなぁ。なんて…、最後はおじゃこを超えて、しみじみ思った私でありました。

 

國立拓治様、本当にありがとうございました!

じゃこ 桜

店のこと

2016年04月08日

もう召し上がってくださったお客様もいらっしゃるでしょうか。「しののめ寺町」の新商品「じゃこ 桜」。ほのかに桜の香りのするおじゃこです。

 

「山椒メレンゲ」を作ってくださっている洋菓子店「シェ・ラ・メール」さんには、日頃よりなにかとお世話になっています。店のこと、商品のこと、いろいろアドバイスをいただくことも多いのですが、そんななか出てきたのが、おじゃこに桜の葉の塩漬けを混ぜてみたら? というアイデア。

 

さっそく材料の手配までしてくださり試作してみると、ちりめんじゃこと桜の相性のいいこと! 新商品を作ることは、かねてよりの念願ながら、なかなか実現できずにいたのが、あれよあれよという間に完成。名前はシンプルに「じゃこ 桜」と決めました。

 

桜の便りが待たれる3月の第2土曜日、販売を開始するや、たちまち「じゃこ 桜、ください」と店に入ってこられるお客様が次々と。店頭に置いた黒板のチョークの文字「新商品 春限定 じゃこ 桜」をご覧になっての模様。これまで黒板の効果など実感したことがなかったので、とても驚きました。

 

お味見いただくと「ほんと、桜の香り」「おいしい」と口々に仰ってくださり、早い時間に売り切れることも。毎日お客様と間近に接している私ですが、今回の反応はいつになく新鮮でした。

 

ご挨拶が遅れましたが、3月16日で「しののめ寺町」は開店から四周年を迎えました。ひとえにご愛顧くださっている皆様のお蔭、心から感謝申し上げます。今年は特に企画を考えていなかったのですが、偶然「じゃこ 桜」誕生と同時期に。ご好評いただけたことが、なによりの励みとなりました。

 

ひと口に開店といっても、まったくの一から始める場合と、既にある店から独立して始める場合があります。うちは後者です。どちらも大変なことですが、独立の場合、一番大変なこと。それは常に比較されることが宿命づけられていることではないでしょうか。それも並列の比較ではなく。

 

殊に味に関しては「同じ」であることを強く求められます。今でも「同じ味ですか?」と確認されることがよくあります。その都度、同じ業者さんから仕入れ、同じように炊いている旨お伝えしていますが、ご納得くださるお客様もあれば、不安を残されたままのお客様も。いつも胸痛むところです。

 

実のところ、ちりめんじゃこが自然のものなら、作る人間も生身の体。「同じ味」に仕上がることを目指しつつも、まったく同じ味など有り得ないことは、以前のブログで書いた通りです(ブログ)。

 

さらに、正直に書くことをお許しいただけるなら…。

 

味だけでなく、なににおいても、自分たちは自分たちなりの「よりよいもの」を目指して、日々邁進しているつもりです。そうした自分たちの仕事が、他のどこかにある基準を元に評価されることが、時に辛いなぁと感じることがあります。仕方ないこととわかっていながらも。

 

正直に書き過ぎています。申し訳ありません。

 

新商品「じゃこ 桜」が誕生し、なによりうれしかったこと。それは、そのものが評価される心地よさでした。たとえよくない評価であったとしても、他のなにかとの比較ではなく、ストレートにそのものが評価される潔さ。それは今までに経験したことのない感覚でした。

 

生まれたばかりの未熟な「じゃこ 桜」ですが、「オリジナル」とはこういうことなのだと教えてくれたように思います。

 

なにを踏襲し、なにを変えていくのか。独立した店の大きな課題です。踏襲していくだけでは限界があります。が、「変える」ということには、どこか罪悪感がつきまとい、大きなエネルギーを要します。いつも葛藤の四年間でした。

 

守るべきものは守りつつも、自分たちの感性で独自の店を築いていきたい。自由に、しなやかに…。今回、そう強く思いました。

 

「じゃこ 桜」が四周年に合わせて誕生したのは、決して偶然ではなかったのだと、今では思っています。きっかけを作ってくださった「シェ・ラ・メール」さんには感謝の思いでいっぱいです。

 

来年の五周年に向け、またがんばっていく所存です。今後ともますますのご愛顧、応援のほどよろしくお願いします。

働きたい!

店のこと

2016年03月16日

気付いていただいているお客様もいらっしゃるでしょうか? 昨年10月からの大学生のアルバイトさん、さなさんに続き(ブログおぉきに)、今年1月から若いママさん3人が日替わりで来てくださっています。

 

店頭やホームページで募集するもなかなか見つからないなか、常々素敵だなと思っていたお客様に紹介をお願いしたところ、思いがけずもご自身が来てくださることに。しかもお友達を誘って。願ってもないことでした。

 

まだ幼稚園児がおられるママさんたち、来ていただける時間は限られます。それでも働きたいという思いをお持ちとのこと。どんな条件より、その思いが一番大事なんじゃないかと、お願いすることにしました。

 

幼稚園の行事や、子供さんの病気の時などは、ママさんチームで代わり合って。うちも忙しい時、のんびりの時と様々。お互いに相談しながら臨機応変にやってていきましょうという、ゆるい感じでのスタート。明るく素敵な皆さん、仕事のみならず、私の精神的支えにもなっていただいています。

 

結婚を機に、勤めていた会社を当たり前のように退職した私。当時は一般的なことでした。間もなく出産、育児の始まり。子どもが成長してからも、自分が置かれた状況を考え合わせ、家庭人として暮らしていくのがいいと思っていましたし、自分になにか出来るとも思っていませんでした。

 

そうして選択したのが「ほぼ専業主婦」のスタイル。家庭を中心に置きながら、ささやかでいいから、なにかしら自分を表現できること、打ちこめることを見つけたい。あれこれ模索し、手を出しましたが、結局どれも中途半端。いつも不完全燃焼な自分を持て余していたように思います。

 

思いがけず店を始めることになり、必要に迫られ始まった仕事中心の生活。自由な時間はなくなり、心身とも休まらない毎日に。それでも「ほぼ専業主婦」だった頃を懐かしく思うことはあっても、戻りたいと思うことはありません。忙しく働いている今がいい。

 

私は働きたかったんやなぁ。

 

今思うと、自分の置かれた環境や、自分の能力に、私自身が枠をはめていたのではなかったか。自分で自分を不自由にしていたような。

 

どうしたって制約のある女性のライフスタイル。そのなかでも、持てる力をいかんなく発揮し、自分らしく働ける場があるといいなと思います。主婦能力はとても優れたものだと、私は思っています。本人自身が気づかないまま、まわりからも評価されないまま埋もれている能力が、世の中にはいっぱいある気がしてなりません。もったいない!

 

子育て中のママも、介護中の男性も、若者もシニアも、ハンディキャップを持った人も、働きたいと思うひと誰もが、その人らしく働ける世の中であればいいな。職業に貴賤などなく、誰もが正当に評価される世の中であってほしい。

 

大学生のさなさんは、春から地元に帰って就職とのこと。大きな助けになってくれた彼女、残念ではありますが、お別れです。

 

アルバイトさんの歓送迎会を催すこと。それは「しののめ寺町」開店以来の夢でした。写真はまさにその夢が叶った時のもの。夢に描いていた以上に素敵な会となりました。

 

新たに縁あって一緒に働くことになった方たち、ゆきさん、めぐみさん、まりさんです。仕事ではありますが、どうせなら楽しい時間を共有していきたいと思っています。皆様もどうぞよろしくお願いします。

 

なお、さなさん卒業に伴い、土日に入っていただける方を急募しています。私たちのお仲間になってくださる方、ぜひご一報ください。

こちら側の笑顔

店のこと

2016年02月29日

最近、私の中でテーマとなっている言葉があります。昨年末、ある会で聞いて以来、気になって仕方ない言葉です。

 

「こちら側の笑顔」

 

少し以前に、中小企業家同友会に入会したことを、このブログでも紹介しました(ブログ中小企業家同友会)。会員同士が経営について真摯に学び合う会で、時間が許す範囲で、例会に参加させていただいています。

 

その日は宮崎にある着ぐるみを制作する会社「KIGURUMI.BIZ(株)」の取締役工場長さんを報告者に招いての例会でしたwww.kigurumi.biz。私と同年代と思われる女性。終始にこやかな表情がとても素敵です。柔らかな口調で語られる、厳しくも楽しい会社経営のお話に、たちまち引き込まれていきました。

 

そんななか出てきたのが、「こちら側の笑顔」と「向こう側の笑顔」を叶えるために…というお話。

 

「向こう側の笑顔」はお客様の笑顔です。お客様の笑顔を見ることは、商売をする者にとってなによりの喜び。そのためには、いくらでもがんばれるものです。ただ、そこにばかり目が行くと、無理が生じ、疲れ果て、結果、お客様に喜んでいただけるいい仕事ができない、ということも。

 

そこで大切なのが「こちら側の笑顔」。働く側の笑顔です。働く人間が、まず笑顔でいられることが大切だと気付かれてからの大改革。その経緯を話されたのですが、社員全員が女性というこの会社。挙げられる例えも、私にはわかりやすく、なるほどと感心させられることばかりでした。

 

ビデオやパンフレットで紹介される社員さんは皆、本当に素敵な笑顔。その手で作られていく着ぐるみたちも、とっても幸せそう。受け取られるお客様の笑顔が目に浮かびます。実践の成果が一目瞭然。

 

「しののめ寺町」は、間もなく開店から4年を迎えようとしています。多くのお客様に来ていただくには、どうしたらいいのか。来てくださったお客様に喜んでいただくには、どうしたらいいのか。そんなことを考え続けてきた毎日だったように思います。今なお…。

 

店と自宅を往復。店をやっている人間であり、家庭を切り盛りする人間であり。ひとりの人間であり、ひとりの女性であり…。一日24時間、体は一つ。慣れないうえに要領の悪い私。やるべきことを優先順位の一位から当てはめていくと、とてもじゃないけど収まらない。

 

上位はどうしたって店のこと。下位はやっぱり自分のこと。結局いつも泣く泣く切り捨て。なんてことの繰り返し。それでもお客様の笑顔が見たいという思いが力強い原動力となって、私を突き動かしてきてくれたように思います。

 

でもやっぱり、4年の間には、どうしても笑顔になれない日もあったかなぁ。正直に言えば、涙を拭き拭き店に立った日も、一日二日はあったかなぁ。プロじゃないなぁ。今さらながら反省しきりです。

 

よくかけられる言葉があります。店に立つ人間が輝いていないと、その店は輝かない。店に立つ人間が幸せじゃないと、その店は幸せになれない。あなたが輝いていること。幸せでいること。それが大事、だと。

 

どんな仕事もそうでしょうが、商売もやはり厳しいものです。課題山積、日々、切磋琢磨していなければ続けていくことはできません。といって必死の形相をしていたのでは、お客様も逃げていかれるでしょう。

 

まずは私が心身ともに健康で、人として幸せを感じられる毎日を送っていること。それこそが商売をやっていくうえで、一番基本となることなんじゃないか。そう思うようになりました。

 

考えれば、「向こう側の笑顔」はお客様ばかりではありません。家族だったり、さまざまなひと付き合いだったり、いろんな「向こう側」に囲まれ暮らしているものです。そこでもついつい「向こう側の笑顔」を窺うあまり「こちら側の笑顔」を忘れがち、なんてことも。

 

「こちら側の笑顔、こちら側の笑顔」と心で唱えると、人差し指に乗せたやじろべえが振れて、うまくバランスをとってくれるよう。私の魔法の言葉となりました。

 

この言葉との出会いに導いてくださった、たくさんのご縁に感謝しながら、春を待つこのごろ。改めまして、今後ともよろしくお願い申し上げます。

おぉきに

店のこと

2015年12月02日

開店以来ずっと、心に引っかかっていたことがあります。「おぉきに」が言えない。

 

京都に生まれ育った私、ふつうに京都弁を話します。ただその京都弁、一般人の私たちが日常的に使うのと、伝統や格式ある世界、例えば花街や老舗のお店の方の使われるのとは少し違います。世代によっても少し違います。一口に京都弁といっても実はさまざまです。

 

テレビなどで、京都といえば「○○どすえ~」みたいな使われ方をするのをよく見かけます。他府県の方がイメージされる京都弁というのは、たぶん舞妓さんが話される言葉なのではないでしょうか。イメージを壊しては申し訳ないのですが、そんな言葉を使う人は、私のまわりで未だかつて一人もいません(笑)。

 

もしかしたら京都弁とは別に、京言葉というものがあるのかもしれません。リアルな話し言葉とは少し違う、京都をイメージして作り上げられた、理想の京都の言葉のような。詳しいわけではないので、よくわかりませんが…。間違っていたら、かんにんどすえ~(笑)。

 

じゃこ山椒といえば、今では京土産の一つに数えられるようになりました。「しののめ寺町」も内装や商品の包装など、常に京都らしさをイメージして考えています。おもてなしも京都らしく、ということで「ありがとうございました」より「おぉきに」がふさわしいとアドバイスされることも何度かありました。

 

「おぉきに」という言葉、私より少し年長の方は自然に使われますが、私自身はこれまでの人生で一度も使ったことがありません。たぶん私と同年代、それ以下の方は同じではないかと思います。

 

正直なところが、時に正直過ぎるところが長所であり短所でもある私。京都らしさ演出のために一度も使ったことのない言葉を口にするのには、どうしても抵抗がありました。考え過ぎだと思うのですが、「おぉきに」と言う自分は、本当の自分じゃないような、なにかしら違和感があって、どうしても口に出来ないのです。

 

他府県から移り住まれた方が、くったくなく「おぉきに」と言われるのを聞くことがあります。京都の言葉を自分の中に取り入れ、京都の暮らしを心から楽しんでおられる様子に、京都に生まれ育った私が言えなくてどうする、と思います。でも、やっぱり言えない。

 

お客様の方が「おぉきに」と言って帰って行かれることもよくあります。京都らしいなぁと思いながらお見送りしている自分に、こちらこそ「おぉきに」でしょう、とツッコミを入れます。でも、やっぱり言えない。

 

そのうちそのうちと思いながら、いつまでたっても言えない。それがやがてストレスに。そんなことにこだわっているくらいなら、いっそ言わないと決めた方が潔いんじゃないかと思うに至り、私は私流、一生「ありがとうございました」で通そうと決めました。開き直りです(笑)。

 

そんな私に劇的ビフォアー・アフターが…。

 

少し前からアルバイトさんを募集していましたが、10月末からこんな可愛いお嬢さんが来てくれています。近くの同志社大学の女子寮の学生、さなさん。お客様でもある、こちらの寮母さんのご紹介です。(ブログ寮母さん

 

静岡出身の彼女ですが、店に立つや一日目から、明るく大きな声で「おぉきに~」とお客様をお見送り。その声に、お客様も思わずにっこり。店の空気が一気に京都らしくなったような。これには本当に驚いてしまいました。聞けば祇園のお寿司屋さんや割烹でアルバイト経験があるとのこと。場所柄、そういう挨拶を教えられたのでしょう。

 

京都の言葉でお迎えすることは、京都らしさを求めて来られるお客様への大切なサービスの一つなのだと、心から納得しました。

 

私よりずっと若く、他府県出身のアルバイトさんがこんなにも見事に「おぉきに」と言っているのに、自称「にわか女将」の私が言わへんわけにいかへんや~ん! ここは素直に見習わなぁ、と一大決心。さなさんの声に合わせてハモる練習開始です。

 

さなさんの大きな声に遅れながら、恐る恐る「おぉきに」と言ってみました。次はもう少し大きな声で…。練習を重ね、今ではさなさんがお休みの日も、一人でちゃんと言えるようになりました。どちらがアルバイトなんだか(笑)。

 

「おぉきに」という言葉、口にしてみると、とても心地いいことに気づきます。音(おん)の持つ抑揚、響きが柔らかく、こういうのを「はんなり」というのでしょうか。まさに京都らしい、美しい言葉だなと思います。

 

そしてなにより、あんなにも抵抗のあったことを、こんなにもあっけなく出来てしまった自分に驚いています。しかもこんな若い人に学んで。今では「おぉきに」と言っている自分が、結構好きだったりして(笑)。ひとはいくつになっても変われるもののようです。 

 

「しののめ寺町」の店内に「おぉきに」という二人の女性の声が響くなんて、思ってもみないことでした。店も私たちも、いろいろな方に出会いながら、育てていただきながら、成長し、進化し続けていく。時に予想をはるかに超えて…。そう実感した出来事でした。

 

そんな素敵なサプライズを起こしてくれたさなさん、春には静岡に帰り社会人になられます。短い期間ではありますが、それまで一緒に楽しく働いていきたいと思っています。ぜひ、さなさんの「おぉきに」を聞きにご来店ください。

 

一日中「おぉきに」の声の絶えない店になっていけるよう、一緒にがんばってくださる方を引き続き募集中しています。ぜひともお力を貸していただきたく思います。どうぞ気軽にお問い合わせください!

 

そんなことを切に願う12月。忙しい師走のこのごろです。

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