涙のご対面

お友達のこと

2012年04月01日

開店以来、連日、知人がだれかれと訪ねてくださっています。なかには何十年ぶりという方もあり、うれしいサプライズが続いています。

先日は、独身時代に勤務していた会社の同期が来てくれました。

玄関を入ってきたときから涙目で、花粉症かと思いきや、

「ブログを読んでいたら、らしいなって、うるうるきて…」と彼女。

私も緊張の糸がゆるみ、うるうる。

レジ下のティッシュを二枚抜き取り、二人で分け合いました。

その彼女、若くして大きな織物会社の跡取りさんと結婚。ご主人のご両親、従業員さんと、職住一緒の生活。仕事のサポートから介護まで、見事にこなしてきました。一度として愚痴めいたことを聞いたことがなく、いつ会っても笑顔をたたえていて、改めて頭が下がります。

正直なのが私の長所であり、短所でもありますが、大変なのを「大変や、大変や」と言うのも能がないなと、反省しきり。

開店までの大変だった(まだ言ってる)日々も、そろそろ思い出箱にしまって、これからは地に足着いた生活をしていきたいと思います。

今まで嘆き節を聞いてくださった皆様、ありがとうございました。

佐藤初女さんのこと

素敵な女性

2012年03月29日

ブログを読んだ知人が口々に、「体調、大丈夫?」と聞いてくれます。

ご心配をおかけし申し訳ありません。

忙しさとプレッシャーで、食事がおろそかになっていたせいもあるのでしょう。

生活が少し落ち着いてきたこのごろ、手抜きながらも三食きちんと食べるようになり、体力気力ともに回復してきました。

改めて、食事の大切さを痛感しています。

そこで、数日前のブログ「さよなら 寝台特急 日本海」で触れた佐藤初女さんのことを是非書かねばと思い出しました。

初女さんは弘前在住の90歳(多分)の女性です。

もとは染色を指導されていたのですが、その人柄を頼って多くの人が悩みの相談に訪れるようになりました。そのたびに初女さんはただ話に耳を傾け、ありあわせの食材で料理を作り、食事を共にされていたようです。

険しい表情だった人が、最後には穏やかな表情になって帰っていかれる、その様を見て、「食は命」と実感されるに至ります。

評判が評判を呼び、自宅では手狭になり、岩木山の麓の雄大な自然の中に、宿泊施設「森のイスキア」を建てられ、数名のスタッフの方と共に、全国からやってくるお客様をもてなされています。

どうしても初女さんの作られたお料理を食べてみたくて、3年前に訪れました。

そのときいただいた心づくしのお料理は本当に美味しく、今でも忘れ難い体験です。

 

「食が進むわ」と、お客様がじゃこ山椒を買い求めてくださるのを見るにつけ、私も食にかかわる仕事に就いたのだと実感する毎日です。初女さんのようにはいきませんが、私もお客様との語らいを大切に、ささやかながら豊かな食を提供するお手伝いを出来たらと思います。

「森のイスキア」の昼食

おむすびは初女さんの代名詞

おきばりやす

店のこと

2012年03月27日

開店して10日ほどです。

「おいしかったよ」と二度三度、いえいえ四度五度と訪れてくださる方もあり、心底ほっとしています。

今日、一人で来られた中年の男性、お勘定を済ませて商品をお渡しすると、

私の目を見てひとこと、

「おきばりやす」と…。

お客様の反応にビクビクし、自分で感じている以上に緊張した毎日を送っているのでしょう。

さりげない言葉でしたが、

なんか…、

とても…、

胸に沁みました。

またご来店くださることを祈っています。

下御霊さん

店のこと

2012年03月25日

今日は寒い一日でした。

そんななか、大きなペットボトルをいくつも提げたお客様がご来店。

下御霊さんに名水を汲みに行かれるとのこと。

下御霊さんといえば、店からほんの数メートル北にある神社です。

地元の氏神様にまだご挨拶をしていなかったことに気づき、帰りに寄ってみました。

鳥居をくぐるとすぐに名水を汲んでいる方の姿があり、本殿脇の大きな紅梅の木が満開でした。

この地に店を構えることが決まって以来、寺町商店会はじめ地元の皆様にはとても友好的に迎えていただき、感謝しています。

「近くに出来てうれしいわ」と、ご近所の方がたくさん来店してくださっています。

5月には下御霊さんのお祭りが盛大に行われるそうです。

新参者の私たちですが、その頃にはすっかり地元に溶け込んで、お祭りに参加できたらいいなぁ、なんて思っています。

ひとり立ち宣言

店のこと

2012年03月24日

巣立ちの季節、晴れ着の親子連れや学生さんの姿をよく見かけます。

私たちもこの春、起業という大きな節目を経験し、開店して9日が過ぎました。

打ち合わせやあれこれ、連日、奔走してきましたが、今は店に詰める毎日です。多くの職人さんや業者さんが出入りされていた店の奥の作業場も、気づけば私たち家族だけ。

開店日に向けて走り続けてきたので、今、ちょっと、祭りのあとのような虚脱感も…。

多くの方に引っぱっていただきながら、ここまで辿りつけましたが、これからは、なんでも私たちで決めていかなければなりません。

暖簾分けという立場、引き継ぐべき部分と、変えていくべき部分を見極めながら、自分の頭で考え、自分の心で感じ、自分の体力の許す範囲で、私たちらしい店作りを模索していきたいと思います。

巣立ったばかりのヒナです。あたたかく見守ってくださることを切にお願いします。

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