滋賀県 菅浦 つづらお荘
心と体のこと
2012年11月10日
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旅行好きな私ですが、旅行はおろか日帰りの行楽さえ、もう一年以上出かけていないのではないでしょうか。休日というのは、ふだん出来ない用事をこなす日、みたいなことになってしまっています。
さすがに体も頭も心もいっぱいいっぱいになってきました。ここらで一度、無理からでも休んだ方がいいのではと判断。月に一度の連休を利用して、久々のひとり旅を企みました。行き先は、かねてより念願だった滋賀県湖北の菅浦、白洲正子の「かくれ里」シリーズで有名になった所です。私、こういうひなびた場所が大好きなんです。宿は選択肢なく、国民宿舎「つづらお荘」に決まりです。
JR湖西線の新快速で70分、「永原」からバスで15分ほど走ると、琵琶湖は琵琶湖でも、見慣れた琵琶湖とはちょっと違う眺め、正真正銘のかくれ里が現れます。
起業を決めてから、そろそろ1年が経つころでしょうか。この間、大きな事から小さな事まで、とにかく決定しなければいけないことの連続でした。それは開店してしまえば終わるというものでなく、限りなく続くのだと気づきました。それが起業というものなのだと…。
短期間で環境が激変しましたが、常に自分の心に耳を傾け、自分を見失わないように心がけてきたつもりです。けれど同じ一つのことでも、感じ方は十人十色、取りようによっては真逆の場合もあります。溢れる情報、飛び交う意見、なにが良くて、なにが悪いのか…。ときに自分を見失いそうになることも。
菅浦は観光する場所があるわけでなく、民話に出てきそうな集落を歩くのも数十分で事足ります。あとは湖畔に座って、日に照りかえる琵琶湖を眺めるだけ。聞こえるのは波の音と鳥のさえずりくらいです。
ここに私がいる。
それが、よくわかりました。
自宅を出てから翌日帰り着くまでおよそ24時間。1泊2食つき9015円。なかなかにコンパクトな逃避行でした。
一年前、そして一年後
店のこと
2012年10月31日
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今日で10月も終わり、開店から7ヶ月半が過ぎました。 この間、何度となく心に浮かんだのは、 「一年前の今頃は、こんなこと想像もしてへんかったなぁ」 という思いです。 そんな、にわか仕掛けの起業でした。今年の雪景色も桜も夏空も、私の目には去年とは違うもののように映りました。
一年前の今頃というと、そろそろ生活が一変するかもしれないという気配が漂い始めた頃でしょうか。サイコロの目がどう出るか不安におののきながらも、一方で覚悟を決めていかなければならない厳しい時期でした。
結果、起業という「目」が出て、運命が大きくうねり始めました。本当に一寸先のことはわからないものです。いいことも、悪いことも、そのときどきに真摯な姿勢で向き合わねばならないのだと学びました。 この一年は十年分くらい生きた気がしています。
先日のこと、妙齢のご婦人が5人ほど店に入ってこられました。味見をされ、お茶を召し上がり、商品を吟味したあと、「今日は一年後の同窓会の下見、一年後にまた来ますね」と。幹事さんが京土産を用意するのが恒例なんでしょう。「鬼が笑うかな」とにこやかに帰っていかれました。
私、毎日、今日、明日のことで精一杯。一年前の今頃を思うことはあっても、一年後の今頃を思うことなどありませんでした。一年後、「しののめ寺町」がここにあり、じゃこ山椒が陳列棚に並び、店に私が立っている…。それは当たり前のようで当たり前でないことのように思えます。一寸先のことは誰にもわからないのですから。
けれど、わからないならわからないで、そんな一年後をあっけらかんと思い描くのも悪くない気がします。「一年後、お待ちしております」と私もにこやかにお見送りしました。数ある京土産のなかから「しののめ寺町」のじゃこ山椒を選び、またご来店くださるよう、一日一日積み重ねていこうと思います。
もう一度 立ちたい場所
心と体のこと
2012年10月18日
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私、旅行が大好きです。そんななかで、もう一度行きたい、というより、もう一度立ちたいと思っている場所があります。
3年前の夏に乗鞍から穂高あたりを旅行したのですが、そのなかの一ヶ所、新穂高温泉駅からロープウェイで上った終点、西穂高口の展望台です。幸運にも天候に恵まれ、槍ヶ岳をはじめとする穂高連峰の大パノラマを目の当たりにすることができました。
誰しも、大なり小なり困難を抱えて日々を送っているものでしょうが、その捉え方は様々のように思います。なんでも他人のせいにするタイプも困りものですが、やたら自分を責めるタイプも難儀なものです。私は間違いなく後者のタイプ、どんな困難であれ全ての元凶は自分にあると思いがちです。
展望台に立って雄大な景色を眺め、まずは感動し、やがて山に抱かれるような安心感に包まれました。「母なる山」という表現がありますが、私にとって山は老練な男性でした。「いいんだよ、いいんだよ」という野太い声があたりから聞こえ、すべてが赦されていくような気がしました。澱んでいたものがろ過されていくような心地よさに、いつまでも立ち去り難く、飽かず山と空を眺めていました。
ようやく展望台を後にしてロープウェイに乗り込むと、「しっかり生きていけよ」という、やはり野太い声がうしろから聞こえた気がしました。背中を押す大きなエネルギーを感じ、とめどなく涙が流れました。地上でまた生きていく私に、山がエールを送ってくれている。山に赦され、山に力を与えられ、浄化されたような新たな思いで帰路に就いたのを覚えています。
そんなことを思い出したのは、ちょっと疲れている証拠でしょうか。もう一度、あの場所に立ってみたい。その時、私は恥ずかしくない思いで山と対峙できるだろうか。今度は山はなんと声を掛けてくれるだろうか。なんて考えます。
けれど穂高まではちょっと遠い。せめて展望台の売店で買った山のDVDでも見て、英気を養うことにしましょう。
最後のドライブ
店のこと
2012年10月06日
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10月になり、めっきり秋らしくなりました。
毎朝、地下鉄丸太町駅で降り、店を目指して竹屋町通りを東に歩きます。夏の辛さはもうありません。
開店前から数えると、冬、春、夏、秋と季節が巡りました。つくづく不思議に思います。この道をこんなに通ることになるなんて、夢にも思わなかったと…。
このあたりは静かな住宅街で、なんということもないけれど、人の営みが感じられるいい通りです。なによりの魅力は、西国19番札所「革堂さん」の正門に行き当たることでしょう。毎朝、観音様の懐に導かれていくような、すがしい思いで通っています。
俳優さんが亡くなったときなど、霊柩車が馴染みの劇場の前を通って火葬場に向かう、なんてニュースを耳にすることがあります。願わくば、私も人生最後のドライブ、この道を通ってもらえたらと思っています。自宅近くの葬儀所で葬儀を行い、火葬場に向かうのに、さして遠回りでもなさそう。しかも幸いにも東行きの一方通行です。
革堂さんの前でゆっくり右折し、反対車線にはなりますが「しののめ寺町」の前で数秒停車し、プハァーと小さくクラクションを鳴らしてもらえたら…。私の人生めでたし、めでたし、です。
もし「しののめ寺町」が存続していなかったら…。そのときは、かつてあった場所でもいいんです。ちょっと淋しいですが、それもまた仕方ない。
こんなことを書くと、驚かれる方があるかもしれません。確かに私はいつも死を意識して暮らしているところがあります。けれどそれは決して悲観的なものでないんです。楽しい旅行の計画があると、それまで頑張れる、いつも以上に頑張れる、そんな感覚でしょうか。むしろ励みになるんです。やっぱり変わっているでしょうか。(笑)
棺桶にゆかりの品を入れる、なんてこともあるようですが、私は決して何も入れてくれるなと家族に伝えています。毎日、重い荷物を引きずって通っているこの道、死んでまで荷物はまっぴら。手ぶらが一番です。
などかは降ろさん 負える重荷を (賛美歌312番)
楽チンに横になり、熟練のドライバーの運転で、いつの日かこの道を通れると思ったら、死ぬのもまんざら悪くない。
どこまで生きても心残りは尽きないでしょうが、少しでも心残りなく死ねるよう頑張って生きていこう。そんなことを思いながら、今日も竹屋町通りを歩いています。
IT関係のひとびと
店のこと
2012年09月26日
店を構えていると、やって来られるのはお客様だけでなく、様々なセールスの方も。ウェブ対応が必須の今、IT関係の方も多いです。パソコンだけでなくスマートフォンにも対応していかなければならない時代のようです。
プロにお願いしたら、低迷している自作のホームページのアクセス数も店の来客数も一気にアップするかも、なんて思います。
けれど、なんせ資金難。当面はなんとか自分で出来るところまでやっていきますと、正直に答えてお断りしています。
どう見ても脈がない客、セールス目当てならそそくさと帰られるところでしょう。それがセールスを度外視して親身に相談にのってくださったりして驚いてしまうことがあります。それも一人じゃなく、二人、三人…。申し訳ないと思いながら、ちゃっかり活用させてもらっています。
ブログを読んでくださっている方の中には、のんきにありがたがって、おめでたい性格だと思われる方があるかもしれません。いつかは成約につながると、下心があるからだと…。
そうかもしれません。でも、やっぱりそうじゃない。
IT関係の方って、クールで、どちらかというと冷徹、なんてイメージを持っていました。IT関係の知り合いが増えるにつれ気づいたことですが、実際は有能な方ほど、ホットで、人間味に溢れています。
皆さん、機械を扱えるかどうかの前に、そこに「なにを」打ち込めるかどうかが大切だと、異口同音に言われます。
私が素人なりに懸命にやっているとわかると、仕事を超えて助けてくださるのは、取りも直さずそうした人間味からでしょう。
こうした皆さん、ますます信頼の篤い、優秀なセールスマン、セールスレディに育っていかれるに違いないと信じています。
この場を借りて、お礼を。ありがとうございます!