メロンパンナちゃん

心と体のこと

2013年08月18日

前回はちょっとばかりディープな(?)話題でしたので、今回は小ネタを。

 

少し前のこと、常連の男性のお客様が帰り際、私に向かって「メロンパン…に似てるね」と言って出て行かれました。

 

私「???」

 

メロンパンって…、丸顔はいいとしても、表面デコボコやし、砂糖でザラザラやし、そもそもパンやし…。でもまあ、甘くて美味しいし、ええか、と思っていました(笑)。

 

先日、そのお客様に確認したところ、メロンパンならぬメロンパンナちゃんだったことが判明しました。アンパンマンに出てくるキャラクターです。そういえばその時、神戸にできたアンパンマンミュージアムの話をしていました。私、アンパンマンの登場人物に詳しくないもので、知らなかったんです。

 

調べてみると、メロンパンナちゃん、なかなかチャーミングな女の子らしく、メロメロパンチで人を虜にするとか。似ているとしたら、光栄の限りです! さっそくミニぬいぐるみを購入したところ、その可愛らしさに私もたちまちメロメロに。

 

これって接客の鑑ではありませんか。是非ともメロンパンナちゃんの魅力にあやかりたい。ということで、毎日「しののめ寺町」に同行してもらっています。仕事の合間、チラ見しては心に余裕を、笑顔に磨きを。目下、メロンパンナちゃんをお手本に修行中です。

 

このブログを読んでくださっている方のなかに、メロンパンナちゃんのファンがいらっしゃるかもしれません。私が似ているなぞ、大ブーイングかと存じますが、常連のお客様と私の大人のジョーク、ということでご容赦を。

 

今回のブログ、これはこれでディープな話題だったような(笑)。いつもお付き合いくださっている方、ありがとうございます。

 

さて「しののめ寺町」は明日、8月19日(月)~23日(金)夏季休業をいただきます。休み明け、ひときわ元気に明るく店に立てるよう、メロンパンナちゃんと有意義な休暇を過ごしたいと思っています。何卒よろしくお願いします。

私の中の女の子

心と体のこと

2013年08月11日

笑われるのを承知で書きます。

女性はいくつになっても、心の中に小さな女の子がいます。

私が言うのも失礼ですが、高齢でなお美しく魅力的な女性は、皆さんどこか少女のような可愛らしさを残しておられるように感じます。

私は韓国ドラマを一度も観たことがないのですが、年齢を問わず熱烈なファンがたくさんいらっしゃるとか。ジャニーズの追っかけをしている母子の話もよく聞きます。そうした方の話しぶりや表情は、皆、まるで恋する乙女のよう。

あぁ、皆さん、心の中に女の子がいるんだなぁと思います。

私は男っぽい性格と自分で思うし、人からも言われます。ひらひらとした可愛いものは苦手で、どちらかというとシンプルなものが好き。そんな私ですが、そんな私の中にも、それはそれなりに、やっぱり小さな女の子がいます。

心理学的にはインナーチャイルドというのでしょうか。難しいことはわかりません。ただ、とても大切な存在です。気味が悪いと思われる方は、ここで読むのをやめていただいた方がいいかもしれません。(笑)

この女の子、私が悲しんでいると、しょんぼりとうなだれます。

私が喜んでいると、あどけない顔を上げてにっこり笑います。

でも私、いつも自分のことでいっぱいいっぱいで、彼女のことを思いやる余裕がありません。それでも健気にいつも私の中にいてくれる彼女。

自分を大切に、とはよく言われることですが、なかなか難しいもの。慌ただしい毎日の中で、自分のことはないがしろにしがちです。その「自分」を「女の子」に置き換えてみると、案外やさしいことに気づきました。

私の中の女の子がいつも笑っていられますように、そう願っているだけで、自然に自分も笑っていられる気がします。

自分にご褒美、なんて言葉を最近よく耳にします。自分にと思うと二の足を踏むような贅沢なことも、もう一人の自分にと思うと、気前よくなれる。まさに同じ感覚ではないでしょうか。大切な間(ま)です。

写真は奈良に古くから続くお店「遊 中川」さんのタオルハンカチです。先日、奈良に出かけた折に見かけ、魅了されてしまいました。生のままの糸の優しい手触り、無垢な色合い、バンビの繊細な刺繍…、華美ではないけれど、えもいわれぬ可愛らしさが、私の中の女の子の感性にぴったり合ったよう。手にとって飛び切り喜ぶ彼女の姿に、幸せいっぱいの自分を実感した次第です。

彼女が喜ぶことをいっぱい体験できるよう、彼女が喜ぶものを惜しみなく与えられるよう、そんな自分でいたいなぁ。というか…、ただただ一緒に幸せに暮らしていきたいなぁと、可愛いタオルハンカチを眺めながら思ったこのごろでした。

化粧

心と体のこと

2013年07月31日

私、もともと化粧に手間を掛けない方です。朝、出かける前、ぱぱっと塗って、ちょちょっと仕上げ、ものの5分ほどで終了です。

 

店を始めてお客様の前に出るようになり、もう少しきちんとしないといけないなぁと常々思っていました。けれど、慌ただしさに紛れ、ずっとそのまま。毎日の習慣というのはなかなか変えられないものです。

 

余裕が出来たというわけでもないのですが、これまでにも、たまには立ち寄っていたデパートの化粧品売り場を、ちょいちょい覗くようになりました。流行のメイクをした若いスタッフさんは、まさしく花のように美しい。近寄るといい香りです。気になっていることをあれこれ相談してみると、あれよあれよという間に鏡の前に。手馴れた技でメイクを施してくれます。

 

キラキラしたアイシャドウや、プルプルしたグロスなど、自分ではしたことのないものを塗ってもらい、新鮮なような落ち着かないような。それでも「お綺麗ですよ、お似合いですよ」と褒められると、まんざらでもない気に。マニュアルどおりの声掛けとわかっていても、褒められるのはやっぱり気分がいいものです。つい一つ二つ買ってみたり。

 

あとは自宅に帰るだけでも、道中なんだかウキウキ。そんな自分に、まだまだ可愛いところがあるやん、と一人突っ込み(笑)。人から見てわかるほどの変化でもないのに、おかしなものです。

 

なにがそんなに気分いいのかと考えると、化粧そのものというより、自分を大切に扱われたということなんじゃないかと思います。大事なものを扱うように優しく触れられ、丁寧に仕上げられていく。しかも褒め言葉を添えながら。わずかの時間でも、自分が愛おしい存在なんだと再認識できた気がするのです。、

 

これって、本来は自分が自分にしてやらなければいけないことなのかもしれません。いつも自分のことを気に掛けて、大切なものとして扱う。それって本当はとても大事なことなんじゃないかと思います。なのに、自分に対してはどこかぞんざいで、なにかしら無理を強いて、いつも後回しにしがち。これじゃあ、自分も浮かばれない…。

 

ほんの少し丁寧に化粧をする時間を持つことで、こうした思いもほんの少し持ちたいものだと思います。

 

化粧ひとつで、そんなことを思ったこのごろでした。

書くひと 書かれるひと

店のこと

2013年07月12日

紹介コーナーでも載せていますが、ただ今発売の雑誌「まっぷる歩く京都」で「しののめ寺町」が掲載されています。

 

少しずつですが、こうした取材を受ける機会が増えてきました。通常、カメラマンさんとライターさんの二人で来られるのが基本でしょうか。この時は若い女性のコンビでした。ライターさんが、私たちの話を一所懸命書きとめられていた姿が印象的でした。

 

というのも…、実は私、数年前に一度だけこうしたライターの仕事をさせてもらったことがあるんです。情報雑誌のラーメン店特集で、ラーメン屋さんを取材して記事を書くというものでした。

 

ラーメン店の店主といえば頑固一徹、こちらの対応が気に食わなければ怒鳴りつけられるだの、ラーメン店の取材が出来たら、あとはどんな店でも大丈夫だの、事前にずいぶん脅されました。それでも、めったにできない経験と思い、興味津々で引き受けたのでした。

 

一番初めに訪ねたのは、かなりの老舗店です。頑固親父に「とりあえず食ってみろ」なんて言われる場合も想定して、空腹で出かけたのですが、待っておられたのは結構高齢の女性でした。カウンターに出されたのはラーメンならぬアイスコーヒー、ちょっと拍子抜けし、そしてホッとしたのを覚えています。

 

雑誌の発売前だったか、直後だったか、この店の前を通りかかると、違う店名のラーメン屋さんに変わっていました。取材時に雑誌の発売予定日を聞かれ、数ヶ月先の予定であることを伝えると、「もっと早、出たらええのになぁ」とポツリと漏らされた女将さんの言葉が、妙に心に引っかかっていました。廃業に至る事情は知る由もありませんが、商売の厳しさを思い知らされた、とてもショックな出来事でした。

 

次に訪ねたのは、料理人さんが独立して始められたという店でした。確かにそんな風情のご主人で、繁忙時間が過ぎ、奥様らしき方が自転車で帰っていかれるところでした。パートさんを雇うより、そりゃあ奥様頼みだろうな、なんて思いながら後ろ姿を見送ったのですが、まさか数年後、自分も似たような立場になるとは想像もしませんでした。こちらの店は今も健在で、通りかかるたびにご夫婦のことを思い出します。

 

幸い大きなトラブルなく十数件の取材を終えました。そのなかで得た情報をもとに、個々の店の良さを精一杯表現する作業は楽しいものでした。少しずつでもこの仕事を続けられたらいいなと思いましたが、そんな甘い世界ではなかったよう。一度きりの思い出で終わってしまいました。

 

書く側の仕事は叶いませんでしたが、気づけば、書かれる側の仕事をするようになっていました。本当に先のことはわからないものです。いずれにせよ、どちらも厳しい仕事です。

 

うちに取材に来てくださった方たちに、いつまでも安心してもらえるような店でありたい。一度きりでもライターの経験のある私は、切にそう願います。

杉本先生から教わったこと

アートなこと

2013年06月30日

個展の案内が届き、出かけてきました。

杉本晋一展

『重力都市14シリーズ 2007-2013の仕事』

2013/6/25~07/06

galerie 16

不思議な次元を描いた素晴らしい大作です。

私、30代の半ばの2年間、服飾の専門学校に通った経験があります。家事と学業の両立は大変でしたが、私には密かな夢がありました。ニットデザイナーになれたらいいな、と。気恥ずかしくて一度も口にしたことはありませんが。その学校に講師として来られていたのが杉本先生です。私には、学友より年齢の近い先生でした。

デッサンと色彩学の担当で、鉛筆一本でプラスチックや木綿などの質感を描き分けたり、色のイメージから一着の服をデザインしたり。毎回、難しくも楽しい授業でした。

「ファッション雑誌は見ないほうがいい」

先生から言われた言葉です。既成概念にとらわれるな、ということでしょうか。自ら創作することの楽しさを教わりました。

卒業後しばらくして、ささやかながら、ニット業界で仕事をさせていただくようになりました。学んできたことが、実を結んだといえば結んだような。

ところが数年であっけなくやめてしまいました。やりがいのある仕事ではありましたが、なにか、そこが、自分の居場所ではないような気がしたのです。お世話になった方には申し訳ないことでした。学んできたことが、無駄に終わったといえば終わったような。

そうこうするうちに、今回の起業となりました。開店に当たっては決めなければならないことがたくさん出てきます。それぞれ専門の方にずいぶん助けていただきましたが、最後は自分たちで決めなければいけません。経験のない私は途方に暮れることもたびたびでした。

そんななか、包装の袋やロゴマークのデザインを考えたり、店内のしつらえの配色を決めたりといった作業は、とても楽しいものでした。緊張を伴うものでしたが、ものづくりが好きな私にとっては、またとない創作のチャンスです。嬉々として取り組んでいたように思います。学んできたことが役立ったといえば役立ったような。完成度はともかくですが。

人生に無駄はない、とはよく言われることですが、すぐに実感できるものではありません。焦ったり、悔やんだりの連続です。そうしたなか、巡り巡って、ああ、そういうことだったのかと気づくことも。自分流のこじつけだったりする場合もありますが…。いずれにせよ、忘れた頃にやっと実感できるというのは、かなり忍耐の要ることです。

最近、これまでに経験してきたうれしかったこと、辛かったこと、そんなこんなが全て今につながっているんだなと思うことがあります。そんなことを実感できるくらい、私もそこそこ長く生きてきたということかもしれません。(笑)

既成概念にとらわれない、あまりに自由な杉本先生の作品を鑑賞しながら、そんなことを思ったことでした。

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