寡黙な名脇役
店のこと
2012年07月12日

開店時にはたくさんのお祝やお花を頂戴しましたが、お酒もたくさんいただきました。
縦長の箱を斜めに抱えて入ってこられるや、すっと差し出される姿は、皆さんとても様になっていました。男性なら渡哲也、女性なら高島礼子に見えたものです。
さっそく飲んでみると、これが美味しい! 以来、毎晩、夕食時に冷やでいただいています。下戸のためぐい飲みに一杯ですが、すっかり日本酒の魅力にはまっています。
日本酒といえば、じゃこ山椒にも塩昆布にも欠かせないものです。
開店に当たり、調味料について改めて勉強しましたが、日本酒がいかに重要な役割を担っているか再認識したところです。
ちりめんじゃこや昆布が主役なら、日本酒はいぶし銀の名脇役というところ。
うちの日本酒、寡黙ながら主役を盛り立て、いい仕事をしてくれています。
調理場の中央にでんと置かれたその姿は、じゃこ山椒や塩昆布が炊き上がるのを、じっと見守ってくれているようにも見えます。頼もしい存在です。
ミニミニギャラリーで紹介しているように、飲み終わった瓶を使って店内にディスプレイしています。日本酒党のお客様と会話が弾むことも。そんな私たちをまた黙って見守ってくれているような。ホント、寡黙な名脇役です。
親玉堂さん
店のこと
2012年07月04日
早いもので7月になりました。
さかのぼりますが、皆さんは6月30日に和菓子「水無月」を召し上がられたでしょうか。
お彼岸のおはぎ、十五夜の月見団子など季節の和菓子は、美味しい思いをしながら手軽に風流も味わえ、なんといい習慣かと思います。
特に夏越の意味合いを持つ水無月は、夏が苦手な私には欠かせないもので、
これで夏を乗り切れる!
と、毎年、自己暗示をかけるように、気合を入れて噛みしめています。
残念ながら二年ほど前に廃業されましたが、買うのはいつもご近所の和菓子屋「親玉堂」さんでした。こじんまりと風情のある店構えで、通りかかると、もち米を蒸すいいにおいがしてきたものです。カランカランと下駄の音が聞こえたと思ったら、「おはよう!」とご主人に声を掛けられることも。
和菓子はどれも、くせのない上品な甘さで、年配のご夫婦の人柄とともに、地元で愛される和菓子屋さんでした。
今は行きつけの店はなく、今年の水無月は出かけたついでにデパ地下で買いました。それなりに美味しかったのですが、なにか味気ないものが。
店先での奥様とのなんでもない会話、出来立て手作りならではの美味しさ…、思い出されるのは、やっぱり「親玉堂」さんの水無月です。味の記憶は味覚だけにとどまらず、その向こうに、えもいわれぬ情景が伴うものなのですね。
自分が店を開いて、「親玉堂」さんがどんなにか素敵な店だったかを実感しています。
今日も一日、元気で頑張ろう!
店のこと
2012年06月30日
5月2日のブログに書きましたが、フェイスブックを始めて、2ヶ月が過ぎました。
フェイスブックというのは…、
ごく簡単に説明すると、自分の素性を明かしたうえでインターネット上に登録し、承認し合った者同士が情報を送受信できる仕組み、というのでしょうか。
起業家セミナー仲間から恐る恐る始めた小さな輪が、友達の友達は友達方式で、少しずつ大きな輪に広がりつつあります。商売上、必要に迫られて始めたつもりが、私自身がすっかり楽しんでいる状況です。
各方面で活躍されている皆さん、夜もお元気ですが、朝もお元気。仕事前の早朝から書き込みをされている方も。
締めくくりは、
みなさん、今日も一日、元気で過ごしましょう。
なんて言葉が多いです。
決まり文句のような言葉ですが、書いた方の笑顔やお仕事ぶりが目に浮かび、読むたびに心に響きます。
何年前からでしょう、いつの頃からか、私は毎朝、心の中で
今日も一日、元気で頑張ろう!
と唱えるのが習慣になっています。
辛いときほど、心の中で拳を突き上げて、声高に叫んできたように思います。
人からは「いつも元気やね」と言われ続けて何十年。
ちゃうねん、ちゃうねん…、
と心で思うも、この言葉の効果だったのかもしれません。
今日も一日、元気で頑張ろう!
店を始めた今、やっぱり、毎朝、そう心で唱えて一日をスタートしています。
以前と違うのは、フェイスブック仲間の皆さんの声が、ハミングのようにかぶさっていることでしょうか。
時を紡ぐ時
家のこと
2012年06月20日

きのうは台風でしたね。ほとんどお客様は来られないのでは、という予測のもと、急きょ、私一人、臨時休暇をもらうことができました。
降って湧いた休暇を、家の用事だけで終わらせてはつまらない。ということで、ずぅ~としたいと思っていたことに当てることにしました。
実は私には変な性癖(?)があります。治そう治そうと思っているのですが、どうしても治りません。
それは新聞を溜めて溜めて、まとめ読みをすること。その時間、至福の思いに浸ることです。
一日のうちでしないといけないことに優先順位をつけていくと、新聞を読むことは、私の中ではかなり低い順位になります。どうでもいいのかというと、そうではなくて、むしろ大切に扱いたい時間です。そんなわけで後回しになり、結局、新聞を読めないままに一日が終わり、一週間、二週間が過ぎ、新聞は山積みにされる、なんてことも。
恥ずかしながら告白します。私、開店準備も佳境に入った頃から新聞を読んでいません。溜まった新聞は山積みどころか連山の様相です。故紙として処分もせずに積み続けているということ自体、どうしたものか。日付をさかのぼると、なんと2月19日です。
今回はいくらなんでも諦めて、せめて5月あたりから読もうと思ったのですが、やっぱり2月19日から読みました。
この時期、慌ただしさのあまり記憶が飛んでしまっていることも。古い新聞を読むことで、もう一度、自分のペースで、自分の手で、時間を大切に紡ぎ直しているような気がします。不器用で、いつもいっぱいいっぱいで生きている私には、そういう時間が必要なようです。
結局、今日、読み終えたのは3月13日まで。開店日の3月16日にも行き着けませんでした。それでも、ちょっと心が落ち着きました。 また時間を見つけては、紡ぎつないでいきたいと思います。
ほんと、変な性癖です。(笑)
デジャブ
店のこと
2012年06月10日

開店から3ヶ月近くが過ぎました。
少しずつお馴染みさんが出来つつあり、その中にはご近所の高齢の方も。
杖を突きながらや、手押し車を押しながら来られては、店内の椅子に腰掛けてしばしお喋り、なんてこともよくあります。
ふと、この光景、どこかで見たような、と不思議な思いに駆られることがあります。そんなこと、あるわけないしなぁ、あぁ、そうそう、開店前に思い描いていた光景やんと思い至り、さらに不思議な思いに…。
じゃこ山椒も塩昆布も、スーパーマーケットに行けば手軽に安価で買うことが出来ます。高齢のお客様にとっては、日々の買い物のついでに済ませれば便利なことでしょう。
それでも「これは、やっぱり、あの店で…」そう思って足を運んでいただける店でありたい。味はもちろんのこと、そこでのお喋りがまた楽しい、そう思っていただける店…。構想中に私が思い描いていた店の光景です。
そのままの光景を、今、目の当たりに出来て幸せに思っています。
写真はご近所の玄関脇の紫陽花です。こんな季節になっていたのかとビックリ。
店作りに奔走し始めた去年の秋以来、紅葉も桜も味わうことなく過ごしてきました。
また少しずつ、季節の移り変わりを楽しむ余裕を持ちたいと思います。