店のこと

2015年03月31日

可能性

私、心に思ったことが視覚的に見えるという変な癖(?)があります。心が動いた時などに、よく起こります。そのものズバリというよりは、暗示的なイメージで現れることが多いでしょうか。うまく説明できませんが…。

 

このところ、しきりにシャボン玉が見えます。大きなシャボン玉がいくつも、目の前でふわりふわり。光を浴びて七色に輝くシャボン玉、中には色とりどりの小さな紙切れが。七夕飾りの短冊みたいに、なにやら願い事が書かれているもよう。指先でつつくとパチンと割れて、短冊がはらはらと空に舞います。入れ替わるように、またひとつ新しいシャボン玉が。

 

可能性をはらんだシャボン玉。

 

可能性は私のまわりにいくらでもあるのだと、それをものにするもしないもすべては私次第なのだと、この光景は教えてくれます。

 

先だって、お陰様で開店3周年を迎えることができました。とはいえ40年近く続いている店からの暖簾分けという状況、新規の店とは少し事情が違います。多少のアレンジは加えながらも、基本、もともとあったものを持ってきた、というのが正直なところです。

 

これはこういうもの。ここはこうあるべき。そう信じて疑わずに準備し、やってきました。それがお客様が望まれていることと思って…。

 

三年が経ち、そんな思いに変化が表れています。こういうもの、こうあるべき、と思っているものは本当にそうなんだろうか。すでにあるものを改良したり、ないものを一から作り出したり、いくらも工夫の余地がありそうな。お客様はむしろ、そちらを望まれているんじゃないか。

途端、目に入るもの、目に入るものに可能性を感じるようになりました。次々に新しい発想が生まれ、その発想がまた新しい発想を呼んでくる。それは店のことに留まらず、自分自身のことにおいても同じです。気づけば、私の目の前はシャボン玉だらけ。ずっと目の前にあったのに、私が気づかなかっただけかもしれません。 

 

これまで、精一杯がんばっているようで、がんばり切れていないもどかしさを感じていました。守るべきもの、変えていいもの。そこを見誤らなければ、もっと自由でいいんじゃないか。そう気づくと、心まで自由になれた気がしています。これからが本当のがんばりどころです。

 

自分の心は自分が一番わかっているようで、わかっていない。そこのところをダイレクトに見せてくれる、この変な癖。直感タイプの私らしい、いい癖だなぁと思っています。

 

目の前のシャボン玉、さあ、なにから割ろうか。たくさんありすぎて、どれも魅力的過ぎて、きょろきょろ視点が定まらない状況です。一日24時間、体は一つ、手当たり次第とはいきません。まずは目の前の一番大きなシャボン玉から。

 

大それたことはできないけれど、手の届く可能性には果敢にチャレンジしていきたい。伝統を守りながら、でも新しい風も吹きこみながら「しののめ寺町」は「しののめ寺町」らしい店になっていきたい。それこそが店を開いた意味だったのだと、思いを新たにするこのごろです。

 

写真は3周年記念に友人のカメラマン篠崎一恵さんに作ってもらったオリジナルポストカードです。私からお願いしたテーマは「希望」でした。まさに私の心象風景。これからまた一歩一歩です。皆様、どうぞ気長に見守ってくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

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