店のこと

2014年12月31日

おいしい!

いよいよ今年も最後、大晦日となりました。きのう12月30日で「しののめ寺町」は一年の営業を無事に終えることが出来ました。ひとえに皆様のご愛顧のおかげ、ありがとうございます。

 

京都の清水寺で今年の漢字一文字が発表される光景は、年末の風物詩となりました。今年は「税」とか。消費税アップは「しののめ寺町」にとっても厳しい出来事でした。そのせいばかりとは言えませんが、やはり影響があったような。

 

漢字一文字ではありませんが、私にとっても今年は印象深い言葉がありました。毎日、繰り返し繰り返し聞いた言葉。声色は様々ながら一様に明るいトーンで聞いた言葉。多分、今年一番多く耳にしたであろう言葉…

 

おいしい!

 

食べ物を扱う店、味がなにより重要なことは言うまでもありませんが、暖簾分けの店の宿命に、比較されるということがあります。その間のことは以前のブログに書いた通りです(ブログ)。味は本当に難しい。思い悩む時期もありましたが、気づけば味には絶対の自信を持つようになっていました。ほかでもない、お客様から絶えることなくいただく「おいしい!」のお言葉のおかげです。

 

お土産に買って帰ったらおいしかったから、と京都旅行のたびにお立ち寄りくださるお客様。どなたに差し上げてもおいしいって喜ばれるのよ、と手土産の定番にしてくださっているお客様。

 

お褒めのお手紙をいただくことも珍しくありません。この年になって、こんなおいしいものと出会えうれしく思います。高齢であろうお客様から、こんなもったいないお言葉を先日も頂戴しました。

 

店にはお味見用をご用意しているのですが、小さな子供さんの反応は正直です。「おいしい!」と言うなり味見が止まらなくなり、ママから「買ってあげるから、もうやめて」の悲鳴があがるお子さんも。ベビーカーに乗ったおチビちゃんの「おいちい!」という可愛い声には、思わず抱きしめたくなります。味見を楽しみに来店される上得意さんも。味覚が敏感な小さな子供さんの支持が高いのは大きな自信です。社交辞令も言わない年齢ですから。

 

ちょっと自慢し過ぎでしょうか。今年最後の日、どうかお許しください(笑)。

 

「しののめ寺町」のじゃこ山椒、我が家の長男が、毎日、店奥の厨房で炊いております。ちりめんじゃこは自然のもの。その日その日の具合を手で触り、舌で確かめ、一番いい、変わらぬ味に仕上がるよう細心の心配りで炊いている様子。今では全幅の信頼をおいて任せています。

 

味が命。

 

商売としての課題はまだまだたくさんあり、来年に持ち越す宿題は山積みです。でも、この味があれば大丈夫。この味さえあればやっていける。そう確信できた一年でした。その確信を持てたのは、お客様からいただいた、たくさんの「おいしい!」のお言葉のおかげです。心より感謝申し上げます。

 

「味と真心でどこにも負けない店になれるよう、がんばっています」

 

自己紹介やPRの場で、私がいつも言う言葉です。食べてみないとわからないのが味。一人でも多くの方に召し上がっていただけるよう伝えていくことが、私の使命と思っています。真心をもって。

 

どうぞ来年も変わらぬご愛顧をよろしくお願いします。皆様、良いお年をお迎えください。

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