店のこと
2014年12月17日
大家族
開店から2年9ヶ月が経ちました。お馴染みのお客様も日に日に増えてくださり、本当にありがたいことと思っています。
旅行のたびにお立ち寄りくださるお客様には「いらっしゃいませ」よりも「こんにちは」の声が出てしまうことも。その間のよもやま話に花が咲き、親戚にでも会ったような懐かしい気分を味わわせていただいています。
地元のお客様で、今日は見慣れない方とご一緒だなと思ったら「両親です。実家から出てきたもので」とご紹介いただくことがあります。あるいは「息子です」「娘です」という場合も。「いつもお世話になっています」なんて丁重にご挨拶され、なんのお世話もしていない私は「いえいえ、こちらこそ」と恐縮してしまったりして(笑)。
開店当初、赤ちゃんだったお子様が幼稚園に入られたり、七五三を迎えられたり。それぞれに成長していかれる様子を楽しませていただいています。私の親世代のお客様が元気そうなお顔を見せてくださるのも、また嬉しいことです。
ふと、失礼ながら、皆さんが遠い親戚のように錯覚することがあります。血縁とはまた違った、大きなくくりでの家族のような。
先日、私が入会している中小企業家同友会(ブログ中小企業家同友会)の例会で、児童養護施設の施設長と職員の方のお話を伺う機会がありました。様々な事情で保護者と暮らせない子どもたちを預かっておられる施設です。
様々な事情のなかには親の虐待や、親が犯罪を犯したりということも。いたいけな子どもたちが味わうには、あまりに過酷な現実に、聞いていて胸つぶれる思いでした。その施設で育った子どもさんの一人が、大学卒業後に職員として戻り働いておられ、自身でその体験を話してくださいました。それには涙なしでは聞いていられませんでした。
施設では家庭的な子育てを目指して、親身に養育されている様子がひしひしと伝わってきました。それでも施設だけでは限界があるのも当然のこと。その一端を担えないかとの試みから始まったのが、中小企業家同友会との交流だったようです。決して難しいことではなく、同友会の会員が近所のおじさん、おばさん的存在として接する機会を持ったり、職場体験の機会を提供したりといったことのようです。
さらに求められている支援の一つに、家族の一員として預かり養育する「里親」というものがあるようです。養育にかかる経費が支給され、独身でもなれるとのこと。多様な家族の形態があることに驚きました。自分はなれなくても、そういう支援があることを伝えていくでことはできます。それも支援の一つかと思います。
「しののめ寺町」で多くのお客様と出会うなかで、血はつながっていなくても、家族のようなつながりがあることを知りました。血縁の家族は限られたものですが、いろいろなありようの家族の可能性は無限です。私が里親になることは難しいですが、私にもできることはないかなぁ。そんなことを考えています。
大家族は私の憧れ。(ブログふるさと)
そうした支援は、困っている子どもたちのためというよりも、故郷を持たない私自身が求めていることでもあるような。そんな大家族の一員に、私もいつかなりたいな。そんなことを思うこのごろです。