心と体のこと

2015年04月29日

店を始めて以来、すっかり運動不足になってしまいました。そのうえパソコンに向かう時間が長くなり、もともとの肩こり症はひどくなる一方。立っている時間が長い日は、足はむくむは腰は疲れるは。絶えない緊張のせいか、背中はいつもパンパン状態…。楽しい仕事ですが、体には悪いことばかりです(笑)。

体が資本の商売、これではいけないと、一年半ほど前に自宅近くのフィットネスクラブに入会しました。店の定休日や夜遅い時間を利用し、ピラティスやヨガのプログラムに参加しています。

通えても週に一、二度です。まわりで華麗なポーズをとる方々を尻目に、私はというと、体は硬いしバランス感覚はないし。とうてい見られた様ではありません。テレビCMや新聞の折り込みチラシにあるような、劇的なビフォー・アフターなど望むべくもありません。

それでも、今、だらしない姿勢をしているなと気づいて正してみたり。呼吸が浅いなと気づいて、深呼吸をしてみたり。ということが増えてきました。目に見える効果はなくても、少しずつ体や意識に浸透してきているようです。

このスタジオ通い、体のためにと始めたのですが、体のためだけではなかったなぁと思うことがよくあります。たとえばヨガのポーズで、手や足の位置を指示されたあとに語られる先生の言葉…。

「今いる位置がしんどいと思ったら、変えてみることができます。床につく手の位置がもう少し前だったり、うしろだったり。開いた足の幅がもう少し広かったり、狭かったり、足首の角度がもう少し内向きだったり、外向きだったり…。自分が心地いいいと思えるポイントを探してみましょう。それは呼吸が教えてくれます」

言われた通りに微調整していると、確かにそういうポイントがあることに気づきます。無理のある位置では、息が詰まるような。無理なくいられる位置では、息がスムーズに通るような。「自分の位置」を探しながら、それってそのまま心に置き換えることができるなぁと思ったり。

あるいは深い呼吸を繰り返しながら語られる先生の言葉…。

「吸う呼吸に合わせて、いいエネルギーを体いっぱい取り込みましょう。髪や指の先、細胞にまで行きわたらせることができます。要らないものは、吐く呼吸にのせて手放すことができます。痛み(傷み?)だったり、ストレスだったり」

体に思いを寄せることは、心に思いを寄せること。体のありようは、心のありよう。スタジオでのエクササイズは、そんなことを教えてくれます。

心は目に見えませんが、体はここにあります。心は扱いにくいけれど、体は扱い慣れているものです。体と向き合う時間を持つことは、心にとっても大切なことだなぁ。そう実感するこのごろです。

「美しいひとには意味がある。なんとなく美しいひとはいない」

ピラティスの先生の名言です。

強く、美しく、しなやかな体と心を持った女性。立ち姿から、素敵な暮らしぶり、仕事ぶりまでもが感じ取れる女性。憧れです。

とうてい叶いませんが、それでも少しでも近づけるよう、地道な努力を続けていきたいと思います。一日でも長く、元気で店に立っていられることを願って。

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