お祭りのこと

2014年05月25日

夢見通りの人々

店を開いてからはすっかり時間がなくなりましたが、もともと本を読むことが大好き。願わくば日がな一日、本を読んで暮らしたいと思うくらいです。

数年前、宮本輝さんの「泥の河」に感動し、立て続けに何作品か読んだことが。そのなかに「夢見通りの人々」という作品がありました。

夢見通りに住む人々の人情味あふれる暮らし、心の機微があたたかい筆致で描かれています。詳しいストーリーは忘れてしまいましたが、ほのぼのとした読後感がタイトルの「夢見通りの人々」という心地いい音の響きと相まって、今も忘れ難い一冊です。

もう二年半ほど前のことになりますが、店を開くにあたって物件を探して、京都の通りを東西に南北に歩き回りました。そんななか見つけたのが寺町通りの小さな物件です。

程よい広さの車道を譲り合うように行き交う車。両側に青々と茂る街路樹。整備された歩道をそぞろ歩くひと。
味わい深い店が軒を連ねた趣ある商店街。そこに住まうひとの暮らしぶり。観光で訪れるひとの華やぎ。そうしたすべてがうまく融合して、えもいわれぬ風情を醸している通り。なんて素敵な街。

「夢見通りの人々」…、ふと、そんな言葉が心に浮かびました。

一目惚れしたこの物件が、今の店です。あれよあれよという間に契約に至ったのは、なにかのお導きとしか思えない幸運でした。(ブログ2011年11月28日)

改装中に足しげく通ううちにますます好きになり、開店後はさらにさらに好きになり…。好き過ぎて、この通りに店を構えていることが信じられなくなることがあります。長い長い夢を見ているんじゃないかと。

「夢見通りの人々」…、それは私自身かも。

店の前で置き看板を拭いていたりすると、うしろで「こんにちは」の声。振り向くと、近所のお店の方だったり、馴染みのお客様だったり。慌てて「こんにちは」と返事をする私…。あぁ、本当にこの通りに店を構えているんだ、夢じゃないんだ、と実感する瞬間です。

先週末はこのあたりの氏神様、下御霊神社のお祭でした。縁日が並び、多くのひとで賑わう通りを、長い巡行を終えたお神輿が夕方遅く神社に戻ってきました。

「夢見通りの人々」

担ぎ手さんたちのうしろ姿を見送りながら、今年もまた目頭が熱くなった私でした。(ブログお祭りの夜に)

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